36.デジタルディスラプター①

■デジタルディスラプターとは

デジタル時代におけるビジネス構造に対する創造的破壊のことを、「デジタル・ディスラプション (digital disruption)」と呼んでいます。また既存のプレーヤーに対して破壊的な影響をもたらす企業のことを「デジタルディスラプター」と呼びます。
「デジタルディスラプター」の多くはデジタル技術を前提とした新興企業(デジタルネイティブ企業)であり、従来の「足かせ」が無い状態でデジタル時代に最適化したビジネスモデルで各業界に参入。破壊的スピードで業界のシェアを奪っていくことが特徴です。
例として、以下の企業が該当します。
●GAFA
Google、Amazon、Meta(Facebook)、Apple
●Uber
●Netflix
●Airbnb 等

■Uberの事例
ディスラプション・エコノミーの典型といわれている配車サービスのUberの事例を見ると、いくつかの要因が成功に寄与していることがわかります。
●ユーザー体験全体がモバイル端末に統合されており、サービスに関するすべてが顧客の指先に。
●透明性の高いサービスの運営。自動車が到着する時刻、自動車の車種、ドライバーの名前、移動する距離、費用の総額は事前通知。
●面倒なプロセスの排除。サービスの利用料金は自動的に利用者のクレジットカードに課金。持ち合わせの現金を気にしたり、チップを計算したりする必要がない。
●創業当初からグローバル戦略を所持。年々増加する海外へ旅行する旅行者はどこに行っても慣れ親しんだサービスを利用したいと考えている。
※ただし、配車サービスとしてのUber Japanは、日本市場では立ち上げに失敗。東京でUberといえば、フードデリバリーのUber Eatsを指すようになっている。

■Netflixの事例
●従来、動画コンテンツを楽しむためには、コンテンツを購入したりレンタルショップで借りたりする必要。店舗の運営において売上や収益を上げるためには、商品数や店舗数を増やすことが重要視されていた。
●定額見放題で動画視聴ができる「Netflix」は、いつでも好きな時に好きな場所で動画を楽しむことができる。かつサブスクモデルで低価格提供することにより、デバイスや物理的規制や不便を解消。コンテンツやメディア業界に大きな影響。

■デジタルディスラプターのタイプ
*「CNBC Disruptor 50」ではディスラプターを以下の3つのタイプに分けている。
●Pタイプ(プラットフォーム)
プラットフォームで需要と供給をつなぐ業界破壊者
●Bタイプ(ビジネスモデル)
ビジネスモデルで常識を超えた顧客体験を生む業界破壊者
●Tタイプ(テクノロジー)
模倣しにくい「独自の技術」を強みにする業界破壊者
※「CNBC Disruptor 50」とは、ニュース専門放送局CNBCが、業界を破壊する企業のトップ50社を選出し、2013年から毎年発表している。斬新な発想や新しいビジネスモデルを業界に持ち込み、圧倒的なスピードで顧客を獲得している企業を選出。2020年度に発表された企業はコロナ渦への対応も評価基準に追加。