基礎的な物理学および基礎的な化学

基礎的な物理学

【物質の状態変化】

●物質の三態と状態変化(図1)

物質の三態:固体、液体、気体の3つの状態のこと。温度や圧力が変化すると、物質はこの三態間を行き来する。これを状態変化と呼ぶ。
気体:分子が自由に熱運動をしている状態。
液体:分子は弱くではあるが引き合っていて、熱運動は緩やかな状態。
固体:分子は強く結合していて、熱運動をしていない状態。
分子は普段、分子間力によって相互に引き合っているが、加熱されることで熱エネルギーが産生され、熱運動をする状態になる。
融解:固体が液体に変わる現象。これが起こる時の温度を融点(融解点)という。また、固体を加熱して、液体にする熱のことを融解熱という。
凝固:液体が固体に変わる現象。これが起こる時の温度を凝固点という。また、液体を冷却して、固体にする熱のことを凝固熱という。
蒸発(気化):液体が気体に変化する現象。液体を加熱して、気体にする熱のことを蒸発熱(気化熱)という。
凝縮(液化):気体が液体に変化する現象。気体を冷却して、液体にする熱のことを凝縮熱という。
昇華:固体が液体を経ずに、直接気体に変化することをさす(例:ダイヤモンドダスト)。また、逆の変化である気体が直接固体に変化することも昇華と呼ぶ(例:ドライアイス、ナフタレン)。
●物理変化と化学変化(図2
 上記の現象(融解、凝固、蒸発、凝縮、昇華)はすべて状態や形が変化しただけで、別の物質に変わった訳ではない。これを物理変化と呼ぶ。これに対して、例えば、ガソリンが燃えて水と二酸化炭素に変わるような、反応前後でまったく別の物質に変化するようなものを化学変化という。
 他の有名な物理変化も覚える。
溶解:液体中に他の物質が溶けて均一な液体になる現象(例:食塩が水に溶けて食塩水になること)。
潮解:固体の物質が空気中の水分を吸収して、湿って溶解する現象。
風解:結晶水(原子やイオンが規則正しく配列している結晶中に一定の割合で含まれている水分子)を含む物質が、空気中に放置されることで、結晶水の一部もしくは全部を失い、粉末状になる現象。潮解の逆の現象である。