5.第2課題_インバウンド総論①

観光マーケット

■インバウンドとは
インバウンド(inbound)とは、訪日外国人旅行のことをいう。日本以外に居住する外国人が日本を訪れ日本国内を旅行すること。

■観光マーケットの分類
・国内旅行
・海外旅行 =「アウトバウンド(outbound)」
・訪日外国人旅行=「インバウンド(inbound)」


インバウンドの効果

・経済効果。訪日外国人旅行者が日本で使う金額は「国際観光収入」といわれ、「輸出」と捉えることができる。
・インバウンド需要は他産業への波及効果が期待できる。
・特に地方創生に有効と考えられる。
・インバウンドビジネスは多くの雇用を創出する。
・新規顧客が増加する。宿泊日数が多く、消費単価が高い。
・需要変動、繁閑差を埋めてくれる。平日週末も関係がない。
・日本の国際化に大きな効果をもたらす。
・相互理解の促進、日本ブランドの形成、愛着と誇りの醸成。
・日本や地域の魅力、観光資源再評価等の効果がある。
・外国との壁が低くなり海外旅行の増大も期待される。


2019年までの訪日外国人旅行者数増加の背景

・円安傾向の定着による旅行費用の割安感の浸透
・アジア諸国の経済発展を背景とした中間所得者層の増加
・アジア諸国に対するビザ発給要件の緩和やビザ免除措置
・「ビジット・ジャパン事業」による訪日プロモーション効果
・アジア各国の「日本観光ブーム」
・東アジアを中心とした LCC(格安航空会社)の新規就航
・クルーズ客船の寄港増加
・消費税免税制度の拡充
・「日本の食」「クールジャパン」「東京オリンピック」 などが注目


観光立国推進基本計画(第4次)2023

■基本的な方針
・持続可能な観光地域づくり戦略
・インバウンド回復戦略
・国内交流拡大戦略
■早期達成を目指す目標
・インバウンド消費5兆円
・国内旅行消費20兆円
■2025年目標(質の向上を強調、人数に依存しない指標設定)
・訪日外国人旅行消費額単価  20万円/人
・訪日外国人旅行者一人当たり地方部宿泊数 2泊
・訪日外国人旅行者数  2019年水準超え
・国際会議の開催件数割合 アジア最大・3割以上



国・地域別訪日外国人旅行者数 2019

■訪日外国人旅行者数 国・地域別人数(2019)
・総数:3,188万人 過去最高
・国・地域別順位
①中国 ②韓国 ③台湾 ④香港 ⑤アメリカ ⑥タイ ⑦オーストラリア ⑧フィリピン ⑨マレーシア ⑩ベトナム
・シェア:アジア: 84.1%  中韓台香: 70.1%  中韓台香米:75.5%(3/4)
・中国、タイ、フィリピン、ベトナムや欧米主要国対前年2桁の伸び
・イギリス、フランスの急伸は、日本で開催されたラグビーワールドカップが影響
・韓国は後半、日韓関係の悪化により激減、前年を大きく割る



■訪日外国人旅行者数 国・地域別人数(2022)・・・参考に
・総数:383万人 2019年の1割
・国・地域別順位
①韓国 ②台湾 ③アメリカ ④ベトナム ⑤香港 ⑥タイ ⑦中国
・シェア:アジア: 78.3%  中韓台香:47.0%  中韓台香米:55.5%
・韓国が復活、中国の戻りが遅い



■訪日外国人旅行者数 国・地域別人数(2023)・・・参考に
・総数:2,507万人  2019年の約8割に回復
・国・地域別順位
①韓国 ②台湾 ③中国 ④香港 ⑤アメリカ ⑥タイ ⑦フィリピン
・中国も回復傾向



■世界各国地域への外国人訪問者数(2019)
・世界12位、アジア4位、中国・トルコ・タイに続く
・1位フランス、約9,000万人、2位スペイン、3位アメリカ
・隣国からの陸路による入国の多い欧州各国の数字を日本と同じ条件にするため、空路、水路による入国者数のみで比較すると、日本はイタリア、イギリス、フランスと同じ3,000万人台となる。