予報業務に関する専門知識 > §1 観測の成果の利用

1.地上気象観測 【気温】

<気温の観測方法と観測機器>

■気温の観測場所

 百葉箱

 ①常に同じ地表面高度で観測する
 ②ある程度範囲が広い芝草で覆われた場所
 ③直射日光が当たらない風通しの良い場所

 ※日本では地上1.5mで観測する
 ※積雪がある場合は積雪面から1.5mで観測
 ※補正(立地や熱の影響)などは行わない


■気温観測機器の種類

 電気式温度計(白金温度計)


出典:仙台管区気象台ホームページ
https://www.jma-net.go.jp/sendai/knowledge/sokki/detail_sokki2.html

温度によって白金線の電気抵抗値が変化することを利用して気温を測定する。
気温が高くなれば白金抵抗値が大きくなる。

通風筒は断熱材を挟む金属製の二重の円筒容器で、上部にファンがあり、円筒内を上向きに通風している。

下部には遮蔽板があり、地表面で反射した日射の影響を防ぐことができる。
通風筒の下端が地上から1.5mの高さになるように設置する。

<最高気温と最低気温の定義>

■天気予報における最高気温・最低気温

 最低気温 午前0時~ 9時までの最低気温
 最高気温 午前9時~18時までの最高気温

※実際には午前9時前に最高気温が出たり、午前9時以降に最低気温が出ることもある。
 →予報自体は、上記の時間の範囲の予報を行う。
※統計データとして残す場合は、午前0時~24時までの期間で最低・最高気温を記録する。

<地表付近の気温の特徴>

■地上気温の変動要因

 ①太陽放射による地表面の熱収支
 ②寒気移流や暖気移流などの水平温度移流
 ③潜熱の授受による加熱効果や冷却効果
 ④フェーン現象などの熱力学的要因